「単独行遭難」 読了
羽根田治さんの遭難シリーズ
死亡率2倍の単独行に焦点を当てた内容です
7編の取材に基づく遭難事例が収められています
いずれも同行者がいれば困難も少なかっただろうけれど、単独行のために事態が深刻になった、という事例です
「羅臼岳」「両神山」「奥穂高」「尾瀬ヶ原」などにおける遭難事例が取り上げられています
遭難した当事者の行動は、迷ったかもと思ってもすぐに引き返さない、地図とコンパスで場所を確認しない、駄目とわかってて沢を下る、思いつきで計画と違う道を行く、登山計画を出さないなどで事態を悪化させてました
このシリーズは、作者が後に検証のため山に入っていることで文章に重みが出ていていいなぁと思います
ホント他人事ではなく気を付けないと、と思います
単独行の自由度の高さの魅力と背中合わせにあるリスクを秤にかけたら、私はやはり一人歩きが好きです
と言いますか、基本的に一人でいることが好きなのに、山に行くときだけ誰かと一緒というのは無理があります
単独だと他人にペース乱されないし、ルート変更なども自由に判断できますし
それに、山に行くときには体調が良くて、晴れてる時に行きたい
でも、グループ登山の時にはそうはいきませんし、そんな事情で当日キャンセルばっかりするわけにもいきません
そして、技術的な問題もあって、歩くのが速い人についていくのはとっても疲れるし、反対に遅い人に付き合うのもとっても疲れる
仕事の愚痴を聞いたり、家庭の愚痴を聞いたりしながら登るは嫌だし、しゃべり続ける人の相手をするのも嫌です
山の話を聞くのは楽しいけど、自慢や教えたがりの人に付き合うのもしんどい
基本的には静かに黙々と歩きたいのです
自分のペース、リズムで歩いて、食事、水分補給、写真休憩がを好きな時にして、自由気ままに歩きたい
孤独感というより一人で自然と向き合っているときの静かさ、頭が空っぽになるかんじが好きです
単独で行くときには、
事故に遭わないように、遭難しないように、
セルフレスキュー力を高めておかないとと思います
ファーストエイド&万が一装備類も確実に
せめて、リスクを出来るだけ小さくするために必要な備えをして、覚悟は決めておこうと思います
グループ登山や単独での登山を比較すると、個人的にはグループ登山の方もじゅうぶんに遭難のリスクが高いと思っています
確かに登山中に何らかのトラブルでケガをした場合、複数いればサポートもできますが、単独の場合はそれが不可能なことが考えられます
でもそれはトラブルが発生した後のことであり、本来トラブルにならないように一人一人が自分の体力や技量を冷静に理解した上で計画したり対処方法を考えたりして、グループで行動する時も常に自分の身は自分で守る心構えが必要に思います
それらのリスクを十分に理解した上で単独登山を続けている人は大勢いますし、複数でのデメリットを単独によって回避している人も多くいます
グループの登山は派閥のようなものに無意識に引きずられトラブルに遭うケースがあるようにも感じます
また、単独での行動をすることによって、より慎重に歩くこともあります
単独登山の場合、「勇気」よりも「臆病」な人の方が事故も起こす事も少ないと思いますし、グループ登山の方が心理的に流されやすいのではないのかと考えることもあります
私が登山を始めて1年目の時に、装備を全部貸していただいて、冬山に1泊で登ったことがあります
後で考えると、よくロクに夏山だって登れないような人間を連れて行ったものだ、と思ってしまいました
あれで天候が崩れていたら、全員の足を引っ張ったと思います
そんなふうに、グループでの登山は、登山技術だって経験だって違うのですから、力にばらつきがある時は、みんなが大変だろうな、と思うのです
とにかく、一人で登山するには
*登山届の提出
あとは
家族や友人に登山の詳細を知らせておく
こまめに地図で現在地を確認
レスキューシート、ファーストエイドの準備
遭難したら引き返し、沢を下らない
ということですね
「臆病であること」「ダメかもしれない」と少しでも思ったらやめておくことも大事!